冬になると光熱費が跳ね上がる、暖房をつけても足元が寒い。その原因の大きな部分が窓にあることは、環境省のリーフレットでも繰り返し説明されています。そして給湯器も、資源エネルギー庁の資料によれば家庭のエネルギー消費量の約3割を占める最大のエネルギー消費源とされています。

この2か所に手を入れる工事に、国の補助が出るしくみがあります。それが「住宅省エネ2026キャンペーン」です。国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携し、4つの補助事業をまとめて案内する形になっています。

ただ、この制度には家計の補助金や給付金とは違う特徴があります。申請するのは工事をする事業者で、住んでいる人が自分で申請することはできません。そして予算の上限に達した時点で受付が終わります。この記事では、対象になる工事・補助額・申し込みの段取り、そして「いま申し込んで間に合うのか」を公式資料から整理します。

この記事でわかること

  • 住宅省エネ2026キャンペーンに含まれる4つの事業と、それぞれの補助額
  • 窓の断熱改修でいくら戻るのか(サイズ・工法別の単価表)
  • 高効率給湯器の補助額と、撤去の加算
  • 交付申請の期限と、2026年9月時点の予算消化状況
  • 消費者がやること・やらなくてよいこと

住宅ローン控除との関係も後半で触れます。制度そのものは住宅ローン控除とは?対象要件・控除額の計算・初年度の確定申告をやさしく解説をご覧ください。

まず結論:4つの事業を組み合わせて使えます

事業名所管令和7年度補正予算主な対象
みらいエコ住宅2026事業国土交通省・環境省2,050億円住宅の新築と、断熱改修を含むリフォーム
先進的窓リノベ2026事業環境省1,125億円高い断熱性能を持つ窓・ドアへの改修
給湯省エネ2026事業経済産業省570億円高効率給湯器の設置
賃貸集合給湯省エネ2026事業経済産業省35億円賃貸集合住宅の小型省エネ給湯器への交換

共通するポイントは次のとおりです。

  • 工事着手が令和7年(2025年)11月28日以降であることが条件です(補正予算案の閣議決定日)
  • 交付申請の期限は予算上限に達するまでで、遅くとも2026年12月31日までとされています
  • 申請するのは事務局に登録された住宅省エネ支援事業者で、補助金は住宅所有者等に全額還元されます
  • 3省連携により、リフォームでは各事業を組み合わせて使うこと(併用)ができます

一部の新築住宅を除き、子育て世帯に限らずすべての世帯が対象です。

対象になる人:持ち家のリフォームが中心です

この記事では、光熱費に直結するリフォーム部分を中心に扱います。

  • 既存住宅(戸建・マンション)を所有し、そこに住んでいる方
  • 賃貸住宅のオーナー(賃貸集合給湯省エネ2026事業)
  • 新築の場合はみらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅)

賃貸住宅に住んでいる方が自分の判断で窓を替えることは通常できないため、この補助の直接の対象にはなりにくい点は押さえておく必要があります。

窓の断熱改修(先進的窓リノベ2026事業)

環境省の事業概要によると、高い断熱性能を持つ窓への改修について、上限100万円/戸の定額補助が行われます。補助単価は一般的に要する費用の1/2以内で設定されているとされています。

対象になるのは、内窓設置・外窓交換(カバー工法・はつり工法)・ガラス交換です。窓の改修と同一契約内であれば、開口部に取り付けられているドアの断熱改修も対象になります。

補助単価(戸建住宅・延床面積240㎡以下の非住宅建築物)

工種グレード特大大中小
ガラス交換SS78,00052,00032,00011,000
ガラス交換S53,00035,00023,0007,000
ガラス交換A41,00027,00018,0005,000
内窓設置SS140,00089,00058,00036,000
内窓設置S76,00052,00034,00022,000
外窓交換(カバー工法)SS239,000188,000138,00089,000
外窓交換(カバー工法)S156,000124,00092,00060,000
外窓交換(カバー工法)A116,00088,00066,00041,000

単位は円です。サイズ区分は、サッシ1か所の面積で特大が4.0㎡以上、大が2.8㎡以上4.0㎡未満、中が1.6㎡以上2.8㎡未満、小が0.2㎡以上1.6㎡未満とされています。ガラス交換は箇所数ではなく、交換するガラスの枚数で計算します。

実際にいくらになるか

戸建住宅で、SSグレードの内窓を6か所(特大2か所・大2か所・中2か所)設置した場合で計算してみます。

  • 特大 140,000円 × 2 = 280,000円
  • 大 89,000円 × 2 = 178,000円
  • 中 58,000円 × 2 = 116,000円
  • 合計 574,000円

上限100万円の範囲に収まる金額です。工事費用の全額ではなく、あくまで単価表に基づく定額補助である点はご注意ください。

2025年からの主な変更点

環境省の資料には、先進的窓リノベ2025事業からの主な変更点として次の4つが挙げられています。

  1. 特大サイズの追加
  2. 内窓Aグレードを補助対象から除外
  3. 補助単価の見直し
  4. 一部の非住宅建築物の補助対象への追加

加えて、上限額が変わっています。先進的窓リノベ2025事業の上限は200万円でしたが、2026事業では100万円/戸とされています。予算も1,350億円から1,125億円になりました。大がかりな工事を考えている方ほど、前年度の情報のまま計画すると差が出る部分です。

高効率給湯器(給湯省エネ2026事業)

資源エネルギー庁の事業概要によると、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)・ハイブリッド給湯機・家庭用燃料電池(エネファーム)の導入が対象です。

機器要件補助額
エコキュート新基礎要件(A要件)7万円/台
エコキュート上位要件(A+B要件)10万円/台
ハイブリッド給湯機新基礎要件(A要件)10万円/台
ハイブリッド給湯機上位要件(A+B要件)12万円/台
エネファーム新基礎要件(C要件)17万円/台

高効率給湯器の設置と併せて古い機器を撤去する場合は、電気蓄熱暖房機で4万円/台、電気温水器で2万円/台の加算があります。

令和7年度補正予算での変更点として、資料には補助額を引き下げて支援台数を増やす方針と、従来の「基礎要件」を廃止してDR機能を備えた機器などへのシフトを目指す、と書かれています。前年度より1台あたりの金額は下がっているため、こちらも過去の記事や広告の金額をそのまま当てにしないほうが安全です。

断熱改修全体(みらいエコ住宅2026事業のリフォーム部分)

窓だけでなく、床・壁・天井といった躯体の断熱改修を含む幅広いリフォームが対象です。補助上限は、改修前の住宅の性能と改修後に達する基準の組み合わせで決まります。

改修前の住宅改修後に達する基準補助上限
平成4年基準を満たさない平成28年基準相当100万円/戸
平成4年基準を満たさない平成11年基準相当50万円/戸
平成11年基準を満たさない平成28年基準相当80万円/戸
平成11年基準を満たさない平成11年基準相当40万円/戸

築年数の古い住宅ほど上限が大きく設定されているのが特徴です。どの区分に当てはまるかの判定は施工事業者が行うことになります。

締切:予算の消化状況を先に見る

この制度でいちばん重要なのは、期限より先に予算が尽きる可能性があることです。公式サイトには、事業ごとの「予算に対する補助金申請額の割合」が毎日更新されています。

2026年9月10日時点で公表されていた概算値は次のとおりです。

事業予算に対する申請額の割合
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)6%
先進的窓リノベ2026事業22%
給湯省エネ2026事業43%
給湯省エネ2026事業(うち電気蓄熱暖房機・電気温水器の撤去)21%
賃貸集合給湯省エネ2026事業42%

いずれも上限には距離がありますが、進み方は事業ごとに違います。給湯省エネは窓リノベの倍近い消化ペースです。検討している工事がどの事業に当たるかを確かめたうえで、公式サイトの数値を直接見るのが確実です。数値は毎日午前0時時点の情報が当日午前中に公表されるとされています。

手続き・流れ:消費者がやることは3つだけ

  1. 登録事業者を探す:公式サイトの「住宅省エネ支援事業者の検索」で探せます。登録のない事業者との契約は補助対象になりません
  2. 工事の契約をする:補助対象製品を使う工事であることを事業者に確認します
  3. 補助金の還元を受ける:交付申請は事業者が行い、補助金は工事代金からの値引きなどの形で全額還元されます

交付申請の手続きは事業者が「住宅省エネポータル」上で行います。消費者が申請書類を用意したり、役所の窓口へ行ったりする必要はありません。その代わり、事業者選びが制度利用の可否そのものを決めます。見積もりを取る段階で「住宅省エネ2026キャンペーンの登録事業者かどうか」を確認しておくのが確実です。

注意点

  • 2025年11月28日より前に着手した工事は対象外です。すでに工事が終わっている場合は使えません
  • 補助対象製品でなければ補助されません。窓・ガラス・ドア・給湯器はいずれも事務局に登録された製品が対象です
  • 自治体の補助金との併用に制限があります。公式サイトは、地方公共団体の支援制度であっても国費が充当されている制度は本キャンペーンの各事業と併用できないと案内しています。併用の可否は各自治体にご確認ください
  • 住宅ローン控除を使う場合は注意が必要です。国税庁は、住宅の取得等に関して国や地方公共団体から補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を取得対価の額から控除すると案内しています
  • 賃貸にお住まいの方は直接の対象になりにくい制度です。オーナー向けには賃貸集合給湯省エネ2026事業があります
  • 年度で内容が変わります。上限額・単価・対象製品はいずれも前年度から変更されています

補助金を受け取ったときの所得税の取扱いについては、契約内容や受け取り方によって判断が変わることがあります。気になる場合は所轄の税務署にご確認ください。確定申告そのものの要否は確定申告、必要?会社員・副業・自営業の判断ガイドを参考にしてください。

よくある質問

Q1. 自分で申請できますか。

A. できません。先進的窓リノベ2026事業の事務局は「補助金の申請手続きや受け取りと一般消費者への還元は窓リノベ事業者が行います。補助対象者である一般消費者が直接申請をすることはできません」と明記しています。

Q2. 窓と給湯器の両方を替えたいのですが、両方もらえますか。

A. 3省連携により、リフォームでは各事業を組み合わせて利用すること(併用)が可能とされています。具体的な組み合わせ方は施工事業者にご確認ください。

Q3. マンションでも使えますか。

A. 窓リノベ事業では低層集合住宅・中高層集合住宅の単価が別に設定されています。ただし共用部分にあたる窓の改修は管理組合の承認が必要になるのが一般的です。管理規約をご確認ください。

Q4. 予算がなくなったら、契約済みでも受けられませんか。

A. 各事業の予算ごとに、補助金申請額が予算上限(100%)に達し次第、交付申請(予約を含む)の受付を終了するとされています。契約のタイミングと交付申請のタイミングは別のため、事業者と申請時期を確認しておくのが安全です。

Q5. 補助額の目安を自分で計算できますか。

A. 公式サイトに「補助対象リフォームMAP」と「補助対象製品の検索」が用意されており、対象工事と補助額の概要を確認できます。最終的な金額は使用する製品と窓のサイズで決まるため、見積もりで確認してください。

まとめ:まず予算の残りと登録事業者を確認する

  • 住宅省エネ2026キャンペーンは3省連携の4事業。リフォームでは併用できます
  • 窓の断熱改修は上限100万円/戸(2025年事業の200万円から変更されています)
  • 高効率給湯器はエコキュート7万〜10万円/台、ハイブリッド10万〜12万円/台、エネファーム17万円/台
  • 躯体の断熱改修は改修前後の性能により上限40万〜100万円/戸
  • 交付申請の期限は予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日)
  • 申請は登録事業者が行います。消費者は登録事業者を選ぶことが最初の一歩です
  • 2026年9月10日時点の予算消化率は、窓リノベ22%・給湯省エネ43%・みらいエコ住宅(リフォーム)6%でした
  • 最新情報は住宅省エネ2026キャンペーン公式サイトで必ずご確認ください

いま確認できるのは、①公式サイトの予算消化率、②お住まいの地域の登録事業者、③自宅の窓のサイズと現在の仕様、の3点です。単価表はサッシの面積で区分が変わるため、窓の寸法をメモしておくと見積もりの比較がしやすくなります。

迷ったときの問い合わせ先

  • 先進的窓リノベ2026事業の内容:環境省地球環境局地球温暖化対策事業室(0570-028-341/平日9:00〜18:00・通話料がかかります)
  • キャンペーン全体・事業者検索:住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト
  • 自治体の上乗せ補助や併用の可否:お住まいの市区町村の住宅担当課
  • 住宅ローン控除との関係・税金の取扱い:所轄の税務署

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参考資料

最終確認日

最終確認日: 2026-09-10

本サイトは公的機関ではありません。補助額・対象製品・予算の消化状況・受付期限は変更されることがあり、予算上限に達した時点で受付が終了します。記事中の数値は公式資料の公表時点のものです。ご自身の工事が補助の対象になるかどうかの判断は、登録事業者または各事業の事務局にご確認ください。